このプロジェクトの課題は風力発電で,オリジナルのマイクロ風車を発案してその設計・製作を,数人のグループ(班)に分かれて行います。
その後,本学の工G2棟にある風洞装置 を使用して,完成したマイクロ風車で実際に競技会(実演)を行います。
設計・製作に必要な施設,所定の工具およびノートパソコンは利用可能です。
これらの材料や工具類は,こちらで用意します。
それぞれのグループで相談して構想がまとまったら,具体的な設計計算,購入品の選定,部品形状の決定を行ってCAD製図を進め,部品を発注・購入して,機械工作・加工を行い組み立てていきます。
さらに,完成したマイクロ風車は,実際に稼動させて目標とする発電性能を達成したかどうかを調べます。
設計・製作作業の過程(作業工程)も,評価の対象になります(この授業の目的は,単にマイクロ風車を作って競うだけのものではありません)。
例えば,どのように作業分担や作業手順を決めて作業の効率化を図ったか,また,これまでに受けた授業(材料学,材料力学,流体力学,システム工学,他)から習得した知識を駆使したり,構造解析(FEM)ソフトや流体解析関連ソフト等を活用することによって,どの程度高性能かつ合理的な設計を行ったか,等々です。
コンセプトの立案時,構造流体設計の完成時,プロジェクトの終了時にそれぞれプレゼンテーションを行い(3回),最後に,個別でレポートを提出してもらいます。これらもすべて評価の対象です。
具体的には,自分の考えを言葉や図を用いて,限られた時間の中でいかに相手に理解できるように伝えてアピールするか,また,他のグループが行うプレゼンに対して,疑問点や問題点を探して積極的に質疑応答できるかを評価します。
各グループには担当教員+TA(大学院生)が付き,アドバイスを行います。実験をして材料の強度や流体の特性を確かめたいときは,その企画をした上で,担当教員に申し出ることになります。
この授業における担当教員側の役目は,悩ましいところや分からないところを一緒に考えたり,しきりにケチをつけることです。したがって,問題解決のためには,どのような情報が必要なのか,また,どのように課題を設定して取り組めば良いのか,受講生には,自ら考えることが求められます。このような能力を身に着けることは,技術者として必要不可欠です。
なお,シラバスについては こちら (2019年度版での例) を参照してください。
年度により環境共生システム課程の受講(選択)人数が極端に少ない場合には,当授業が開講されず,輸送機器工学課程と共通で Paper Vehicle Project (旧・輸送機器環境工学プロジェクトⅡ=現・輸送システム工学プロジェクト) を受講する場合もありました。